2025秋の行動計量セミナー
| WEB | https://bms2025autumn.peatix.com/ |
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| 日時 | 2025年12月6日(土)~ 12月7日(日)(2日間) |
| 場所 | 対面・オンライン・リアルタイム配信(LIVE形式)/復習オンデマンド配信あり |
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内容
統計学再入門セミナー:科学哲学で深める検定理論の本質
- コースのご紹介
日本行動計量学会の2025秋の行動計量セミナーで「統計学再入門セミナー:科学哲学で深める検定理論の本質」をテーマに掲げ2日間・90分×8コマの集中講義を行います。今回はオンラインだけでなく対面会場もご用意しました!
データサイエンスやAIの普及により、統計学を使う場面は飛躍的に増えました。しかし、多くの人が「p値」や「帰無仮説検定」という言葉を耳にしながらも、その本質的な意味を理解しないまま統計ソフトを動かしているのではないでしょうか。「有意差が出た」「有意ではなかった」という結果をどう解釈すればよいのか、本当に自信を持って説明できますか?統計学の基礎を学んだはずなのに、使うたびにモヤモヤした気持ちが残る――そんな経験をお持ちの方は少なくないはずです。本セミナーは、そうした統計学の「分かったつもり」から脱却し、統計的思考の本質を理解する絶好の機会です。
講師の森元良太先生は、科学哲学を専門とする気鋭の研究者です。慶應義塾大学で哲学の博士号を取得後、統計学の哲学的基礎、統計的推論、因果推論などの研究に取り組み、数多くの学術論文や著書を発表してきました。特に近著『統計学再入門―科学哲学から探る統計思考の原点』(近代科学社、2024年)は、数式に頼らず統計学の考え方を深く理解できる画期的な一冊として注目を集めています。統計学の「後ろめたさ」に真正面から向き合い、その本質を明快に解き明かす森元先生の講義を、ぜひこの機会にご体験ください。
充実した内容にもかかわらず,90分1コマあたり準会員(学生)は500円,正会員は1,000円という大変リーズナブルな価格設定でのセミナーは,学会主催であるからこそ実現できるものです。Peatixサイトですでに募集は始まっておりますので,どうぞお早めにお申し込みください。多くの方からのご参加をお待ちしております。 - 講師によるコース概要説明
p値に基づく統計的な検定理論を用いてデータを解析するとき、100%正しい結論を引き出せているでしょうか。なぜ検定理論は帰無仮説を棄却するという二重否定のような回りくどい論理になっているのでしょう。帰無仮説を棄却することと、対立仮説を棄却しないこと、さらには対立仮説を採択することは同じでしょうか。有意性検定と仮説検定は同じでしょうか。こうした問いに確信をもって答えられるでしょうか。統計学の解析法を用いて結論を引き出すとき、後ろめたさやモヤモヤ感を抱いたことはないでしょうか。
本セミナーでは、拙著『統計学再入門―科学哲学から探る統計思考の原点』をもとに、統計学を使うときの後ろめたさやモヤモヤ感の要因を探っていきます。しかも科学哲学という観点から統計学の考え方を深堀りしていきます。統計学を正確に理解するには数理統計学を学ぶ必要がありますが、数学というハードルは統計ユーザーには高いのではないでしょうか。科学哲学は、数式をなるべく使わずに、統計学の考え方や概念を考察できるので、統計思考を理解するには有効な道具になります。そこで本セミナーでは、なぜ統計学を用いなければならないのか、統計学を使うときの思考の枠組みはどういうものか、p値に基づく検定理論はどういう考え方なのかという問題を中心に掘り下げ、あなたの統計思考の理解を深めます。
<講義スケジュール(予定)>
12月6日(土)
・講義1 10:00-11:30 なぜ統計学を用いなければならないのか
・講義2 13:00-14:30 統計学的推論の中核は帰納である
・講義3 14:45-16:15 統計学を使うときの思考の枠組みとは
・講義4 16:30-18:00 フィッシャー流の有意性検定の考え方
12月7日(日)
・講義5 09:00-10:30 ネイマン-ピアソン流の仮説検定の考え方
・講義6 10:45-12:15 2種類の過誤をきちんと理解しよう
・講義7 13:15-14:45 フィッシャー、およびネイマンとピアソンの科学哲学
・講義8 15:00-16:30 検定理論の問題点
